ブルーツーリズム×人と出会い触れ合うまち

錦江湾を抱くように位置する4つの市(姶良市、鹿児島市、垂水市、霧島市)は、今も日常的に噴火を繰り返す桜島の膝下にある、人と自然が密接に寄り添い、共存共栄する知恵と覚悟をもった日本屈指の場所。
火山の巨大噴火によってできたシラス台地の上に広がるまち並や石垣、石橋など、鹿児島の人たちは大昔から自然の恵みを享受してきました。この地で、人が生み出した食や暮らし、文化は計り知れません。
旅で心動かされるのは、圧倒的な自然の造形美だけではなく、人がつくり、守り、伝えていったものとの出会いです。
そんな人との触れ合いが、忘れられない旅の思い出となるはず。
「また来たくなる」ほどの出会いを求めて、旅をしよう!

01 桜島の火山灰を使ってポストカードづくり体験をしました。 鹿児島中央駅や繁華街の天文館など、人の活気で賑やかな鹿児島市。 世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」の構成遺産や、鹿児島城跡といった史跡も多くあり、一方で大正の噴火によって大隅半島と地続きになった桜島も同市にあります。 観光スポットをめぐるには見所が満載。 さらに一歩、“鹿児島の深淵”に触れるべく、濃くて素敵な出会いをしたいのならば、人通りの多い街を飛び出して、錦江湾へ足を運んでみましょう。 あまり知られていない、とっても魅力的なスポットがいくつもあります。 「街」と「街とは真逆の世界」が共存する鹿児島市の面白さを感じてみよう!

02 錦江湾に浮かぶ小さな新島とその後方に佇む桜島。 「紹介1 クルーズで楽しむ錦江湾と、たった1世帯2人が暮らす新島へ!」 今回は、かごしまベイクルーズの小型船をチャーターして、錦江湾をクルーズしながら新島へ。 錦江湾や鹿児島の歴史に詳しい船長に、地元の自慢をたくさん聞きながら向かいます。 桜島は、北岳と南岳の二つの火山が南北に連なっているので、各市で見る桜島の形は違って見えます。 鹿児島市本土からは、横長でどっしりと構えた形に見えますが、船上からは移動するにつれて変化する桜島の形を楽しむことができます。 それに、陸からとは違うスケール感と迫力も存分に味わえます。

03 かごしまベイクルーズの小型船をチャーターして、新島へ上陸! 新島は、1779年(安永8年)からの桜島の大噴火によって海底が隆起してできた島。桜島まで約1.5キロの距離という近さです。 島内の岩肌には、太古の貝化石層や湖底のシルト層が見られ、世界的にも非常に貴重な地質をしているそう。 初めて人が移り住んだのは、約220年前で、薩摩藩の命をうけた四家族。 同時に、薩摩藩によって井戸が作られ、島の土壌にあうサツマイモ生産も始まったとか。 そして、錦江湾でもっとも好漁場で、漁師さんの島でもありました。 周囲2キロという小さな島に、昭和のピーク時には多くの人が住み、一部の人たちは対岸の桜島へと移り住むほどだったようです。 その後、大正の大噴火以降、魚の回遊に変化が生まれ、漁業は衰退。平成25年には無人島となってしまいました。

04 火山活動で海底が隆起してできた新島では、島内陸地でたくさんの貝が発見されるそうです。 令和元年、佐々木直行さんと和子さんご夫婦が移住して、再び有人島となりました。 もともと和子さんの故郷で、「島の五社神社を守りたい」という思いから、無人島になってから8年がかりで島内の環境を整えたようです。 その間、のべ1000人ほどのボランティアさんが一緒に、朽ちた神社の復興や降灰の積もった島内の清掃などを手伝いました。 多くの人の思いで、島は息を吹きかえしました。 「実はね、ボランティアさんが何組も結婚したり、出産したり、たくさんのご縁がここで起きているんですよ」と嬉しそうにお話しするお二人。 昔から別名で「燃島」とも呼ばれているけれど、今は新たに「奇跡の島」と呼ぶ方もいるようです。

05 2019年に移住してきた佐々木さんご夫妻と。無人島から有人島へ復活した奇跡を生んだ方々。 佐々木ご夫妻のご自宅では民泊もしています。 ゆっくりと宿泊しながら、島の暮らしやたくさんの素敵な出会いについて聞いてみるのもおすすめ。 お二人は、「ツリーハウスやカフェもつくりたい」と夢は広がるばかり。 旅をきっかけにして、「また行きたい場所」「会いたい人」ができるのは幸せなこと。そして、一緒にその夢をもつ未来があるなら、なお幸せなことだと感じます。

06 島内で見つけたモエジマシダ。新島は地元の人たちに燃島(もえじま)と呼ぶ人もいるとか。 07 移住する前、佐々木さんが指差す高さまで桜島の火山灰が積もっていたそう。

08 島内の岩肌に見られるのは、太古の貝化石層や湖底のシルト層(砂より小さく粘土より粗い砕屑物)で、ジオ的にも面白い島。

09 佐々木さんご夫妻をはじめ、多くのボランティアさんが復活させた五社神社。 「紹介2 自然の循環のなかで生きる、無農薬農園とCaféしらはま」 桜島の麓に広がる「桜島大根の畑」は、新島と同じく「桜島・錦江湾ジオパーク」の見どころジオサイトに指定されています。 火山による土壌が適度に痩せて水はけがよいため、サツマイモと同様に、桜島大根が育ちやすい環境なのです。 こうした大自然のおかげで、なんと、世界一重い大根としてギネス登録された桜島大根があるほど。その重さ、実に31.1キロ、胴回り119センチ。 絵本に出てくる大きなカブの物語のようです。 畑では、地元の小学生が植えた桜島大根がすくすくと育っています。 桜島産のものは、甘くて柔らかくて、崩れにくいのが特徴。トリゴネリンという血管を丈夫にする成分が豊富に含まれているという研究結果も出ています。 肥料の代わりに干した海藻を使っていて、ミネラルをたっぷり含んだ野菜が育ち、甘みも強くなるようです。 雨が降って、海藻から出たミネラルは、土壌を通してまた海に還るそう。

10 桜島の麓に広がる「桜島大根の畑」。火山の土壌で、すくすくと桜島大根が育っていました。 農園家族が経営する「Caféしらはま」は、農園で育てた無農薬野菜を使ったランチが人気。 大根ときゅうりの漬物、大根と人参のなます、栗カボチャの甘辛煮、小松菜の胡麻和え、サツマイモと人参などの煮しめ、大根の皮とごぼうと人参のきんぴら……。 優しい味の家庭料理と地元の食材で、心身ともに元気になりそう! 「桜島の嫁をもらったら食べものには困らん」と言われているようですが、全力で頷ける美味しさでした。 3センチほどの、桜島小みかんもおすすめ!

11 農園家族が経営する「Caféしらはま」でランチ。農園で育てた無農薬野菜がたっぷり。 12 小さな桜島小みかんも、無農薬で育ったもの。 甘くて瑞々しい! 「紹介3 桜島が生み出す火山灰で、アート体験!」 年間幾度となく噴火する桜島では、火山灰が降ってくるのは日常茶飯事。 鹿児島の人たちは、降灰を“厄介者”として見るのではなく、自然の一部として受け入れる心を持っています。 とはいえ、雨のように降るわけではないので、旅行者はなかなか実物の火山灰を見たり触れたりするのは難しい。 桜島の「桜岳陶芸」では、明るい性格の陶芸家・橋野翠史さんの指導のもと、色をつけた火山灰を使ってポストカードを作る体験ができます。

13 桜岳陶芸で陶芸家のお母さんに教えてもらいながら火山灰を使ってポストカードづくり体験! ポストカードの大きさの画用紙に絵を描いて、糊を載せ、好きな色の火山灰をふりかけていくと、世界にここだけの「火山灰オリジナルポストカード」が出来上がり。 写真立てに入れて飾れば、旅のお土産になります。 なにより、初めて触った火山灰の柔らかさにもびっくり感動。 実際の火山灰は、粒子の細かいものから荒いものまであって、「あかべ(赤い灰)、くろべ(黒い灰)、しろべ(白い灰)」と呼ばれています。 桜岳陶芸では、屋上に積もった火山灰を集めてふるい分け、独自にジオカラーの5色に色つけをしているそう。

14ジオカラーに色つけした六色の火山灰でポストカードに色をつけていきます。

15細かい火山灰は砂漠の砂のようにさらさら。他の砂などを比べてみると、違いが一目瞭然でした。

16 ポストカードにノリを載せて、好きな色の火山灰を振りかけていきます。

17 世界でここだけの、火山灰アートが完成。お土産にお持ち帰り! ちなみに、桜島焼の陶芸品が生まれたのも、この桜岳陶芸。 火山灰や土を温泉水で練り混み、桜島で育った草木から独自の釉薬を産み出して、焼きあがったのが桜島焼です。 器を軽く叩くと、コンコンと高い音がします。鉱物含有イオンの働きで、水が柔らかく、腐りにくくなるのが特徴とのこと。 桜島の自然を肌で触って、職人のお母さんたちと和気藹々とものづくりをして、「また来てね」と送り出してもらえて。 心もまた華やかな気持ちに彩られます。

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