ブルーツーリズム×伝統・匠の技を感じるまち

錦江湾を抱くように位置する4つの市(姶良市、鹿児島市、垂水市、霧島市)は、今も日常的に噴火を繰り返す桜島の膝下にある、人と自然が密接に寄り添い、共存共栄する知恵と覚悟をもった日本屈指の場所。
私たちは普段、海に囲まれ、活火山の多い島国に暮らしていることを忘れがちですが、旅をしてこの自然景観や人の暮らし、生き方に出会えば、その繋がりや営みに気づきます。
そして、太古から絶えず躍動している自然の恩恵を受け、季節や天候によって移ろう自然の美しさに、感性が育まれ、知恵が生まれ、日本の伝統文化がつくられてきたことを肌で感じます。
人の叡智と自然の恵みが折り重なり、カタチとなって、過去から未来へと守り伝わっていく尊さ。心にストンと届く感動をもらう旅へ、出かけましょう。

01 神々しいダイヤモンド桜島。自然が見せてくれる美しい光景に心奪われます…。 霧島市は、鹿児島空港がある旅の玄関口で、4つの温泉郷や宮崎県との県境にまたがる火山群の霧島山、坂本龍馬・お龍夫妻の新婚旅行地だったなど、豊かな自然と歴史が魅力です。 天孫降臨伝説で有名な高千穂峰の登山ルートなど神話との所縁や格式高い神社もあり、パワースポットと呼ばれる霊験あらたかなエリアとしても人気です。 一方で、桜島をはじめとする火山や錦江湾の地形がもたらした繁栄は、先人の心に火を灯し、匠が腕をかけて後世に残してきたものは数知れず。 匠の技が生み出し、現在に伝承されてきた誇りを追いかけて。 思い出に残る旅を作ろう。

02 福山にある黒酢製造会社の「桷志田(かくいだ)」の壷畑には、2万本におよぶ壷畑がずらりと並び、圧巻! 「紹介1 世界でここだけの壺畑と、日本初の黒酢レストランへ」 霧島市福山町は、江戸時代から200年以上伝承されている「黒酢」の名産地。カメ壷を使い、天然の黒酢づくりをしているのは世界でここだけ。 地元では、 “一家に一本”と言われるほど馴染みの深い存在だそうです。 黒酢の原料は、玄米、米麹と湧き水。 福山町で美味しい黒酢ができるのは、発酵と熟成に適した気温と水のおかげです。 錦江湾から吹く暖かい潮風と冷たい風を防ぐ山に挟まれた土地柄、年間の平均気温は18.7度と温暖で、寒暖の高低差が少ないのです。 また、シラス台地によって綺麗な地下水が湧き、硬度の柔らかい軟水は仕込みに使用すると、口当たりの良いまろやかな黒酢に仕上がるそうです。

03 桷志田では黒酢づくりの歴史を聞いたり、壷の中の黒酢を試飲したりと見学が可能。 黒酢製造会社の「桷志田(かくいだ)」は、2万本におよぶ壷畑が圧巻! お酢づくりは、昔から伝わる福山町独自の製法があって、特徴的なのは「ふりこうじ」と呼ばれる作業だそうです。 これは、カメ壷に入れた原料の表面に、乾燥させた米麹をふりかけることで、麹の膜を張っていくもの。それにより、外部から雑菌の侵入を防げます。 ただ、均一に万遍なくふりかけるのは技術が必要で、職人のなせる技。 「天然の黒酢」と言われるのは、発酵に使う酢酸も、人工的に注入するのではなくて、カメ壷が空気中やカメ壷の中に住み着いている酢酸菌を自ら取り込み、自然に酢酸発酵が進むから。職人は、黒酢の色や香り、発酵する音などで、発酵具合を確認しているそうです。 仕込みから半年間かけて発酵が終わると、その後は熟成。 最低でも1年は熟成されるのが福山流。桷志田では、5年、10年と長期熟成させた黒酢もつくっています。 時間をかけるほど、味と香りがまろやかになり、色も黒っぽくなるそう。飲むには3年熟成、調味料としては5年以上の熟成がおすすめ。

04 最低一年は熟成されるのが福山流! 昔ながらの製法でつくられる天然黒酢は日本でここだけ。 「桷志田(かくいだ)」では、日本初の黒酢レストランもオープンしていて、すべての料理に黒酢を使っています。桜島と錦江湾を眺めながら、手作業、天然の貴重な黒酢を満喫できます。 世界でここだけの貴重な天然黒酢は、食べて、買って帰りたい!

05 桷志田では日本初の黒酢レストランもオープンしており、すべての料理に黒酢を使用! 黒酢酢豚をいただきました。 「紹介2 美しい薩摩切子のアクセサリー作り体験で、気軽に職人気分を味わう!」 ジュエリーのような輝きと繊細な文様が美しい薩摩切子は、江戸末期に薩摩藩の島津家によって生み出された鹿児島を代表する伝統工芸品です。 幕末の動乱などによって、いっとき伝承されずに途絶えましたが、35年前にふたたび復元しようと島津家が動き、復活を遂げました。 その際に切子師になった、復刻当時の第一期生である弟子丸努さん。 「炉火純青」を信念に、表現者・技術者として最高の域に達することを志し、人生をかけて薩摩切子を作り続けています。 不可能だと言われた高度な技術を要する黒切子を初めてつくり、今ではオリジナルの技法を使って「霧島切子」を生み出し、伝統を重んじながらも己の表現領域を広げています。

06 黒酢レストランで桜島と錦江湾を眺めながらランチ。黒酢をつかった前菜もおしゃれで美味しい。

07 「美の匠 ガラス工房 弟子丸」で薩摩切子のエコキリ体験を。好きなガラスを使います。 工芸品よりも装飾品と思える薩摩切子は、気軽に普段使いできないほど高価。 それゆえに、若者が敬遠しては勿体ないと、弟子丸さんが始めたのが、「エコキリ」です。不要となった本物の薩摩切子のガラス廃材を使って、ヘアゴムやタイピン、指輪などのアクセサリーに生まれ変わらせています。 彼の工房「美の匠 ガラス工房弟子丸」では、弟子丸さんやお弟子さんに教えてもらいながら、「エコキリ」体験ができます。 自らガラスを触り、削って切子を入れる感覚や、一点集中する時間。僅かでも、匠の心を覗くような、とても尊い経験。 伝統工芸は、人が成すもの。だからこそ、継承は難しくも、守っていく人がいなくてはならない。若い人が気軽に薩摩切子に触れられ、日常で使えるようにすることは、その一歩だと弟子丸さんは語ります。 「過去と今を融合させていく」と弟子丸さんの挑戦は続きます。 工房は鹿児島空港にも近いので、帰りに立ち寄るのもおすすめ。

08 薩摩切子の匠、弟子丸さんに削って切子を入れる作業を教えていただきます。

09 エコキリ体験を通して、弟子丸さんとの触れ合いも貴重なひととき。

10 光に透けてジュエリーのような切子。手軽に体験できるのが嬉しい。 「紹介3 薩摩の土木建築技術に心奪われる、史跡だらけの鹿児島神宮へ」 大隅國一の宮であり、県内で格式高いとされる鹿児島神宮は、日本の10世紀の書物に出てくる古い神社。“大隅正八幡宮”として南九州で一番大きな神社で、荘園の時代には島津か大隅正八幡宮かと言われるほど勢力を持っていました。 現社殿は、第7代薩摩藩主の島津重年公により建立され、神様が住む本殿は九州で最大級の大きさ。 厳かに歴史の重みを纏う鹿児島神宮の境内は、国の史跡です。実は、県指定も含めてこの一帯は史跡だらけ。 たとえば、鹿児島神宮は千年の歴史がありますが、ずっと同じ一族が働いてきており、住む家もずっと同じ場所だと言われていて、その家を含めて史跡。日本でここだけの興味深い歴史です。

11 千年の歴史がある鹿児島神宮は、先人の匠の技術があちこち見られます。 鹿児島神宮は、江戸時代に描かれた全体の絵と比べて、石橋、川、階段、山道、本殿……と現在の景観とほぼ変わっていないのも特徴です。 見所は、300年前に作られて現在も使用されている用水路。 鹿児島神宮のある国分平野は、水がなく、稲作ができませんでした。そこで、江戸時代になって薩摩藩が用水路を作りました。 全長12キロで、その高低差はたった17メートル。100メートルで5センチしか高さが変わらないのです。当時、薩摩藩の土木技術が日本随一であったとわかるものです。 今、用水路の一部(認定されているのは洞穴部分のみとのことです)は日本の土木遺産に認定されています。

12 鹿児島神宮の拝殿は極彩色で華やか。神聖な雰囲気が漂っています。 拝殿は、天井に貼られた264枚の絵が極彩色で華やか。バナナやサボテン、島とうがらし、ゴーヤなど、アジアや琉球を思わせるものまで描かれています。 これは薩摩藩が外との貿易をしていた事実を語るもの。錦江湾があり、海に開かれた中心地として、いろいろな物が入ってきていたようです。

13 鹿児島神宮の天井には264枚の絵が貼られていて、描かれた絵は古い時代を伝える語り部のよう…。 鹿児島神宮のお米を見守る神様タノカンサアもお見逃しなく。 稲作の厳しいシラス台地が生み出した神様。 鹿児島神宮では、さまざまな史跡のなかに、先人の匠の技が見られます。

14 お米を見守る神様タノカンサアは、かつて鹿児島のあちこちで見られた優しい神様だそうです。 「紹介4 自然が織りなす奇跡の時間、ダイヤモンド桜島を遥拝する」 自然の織りなす造形美は、人の手では決して生み出すことのできないもの。 季節や時間、天候によってころころと変わる自然に、古より人は心を癒し、活力をもらい、そっと手を合わせてきました。 霧島では、冬の間、たった数分だけ奇跡の光景が現れます。 桜島の尾根に夕日が落ちた「ダイヤモンド桜島」。 霧島からのぞむ桜島は、尾根が右肩上がりをしていて縁起が良いと評判です。 その尾根に太陽がぴったりと乗っかる束の間、まるで王冠をかぶっているようにキラリと輝き、神々しい姿をします。 まるで、見るものを楽しませるように、ご褒美をくれるかのように。自然からの贈り物だと感じます。 刻一刻と変わる空や錦江湾の青さも、壮大な自然の演舞。 やがて、太陽は燃えるように揺らめきながら、桜島の向こうへと沈んでいきました。

15ダイヤモンド桜島を望む中茶屋公園には、多くの人がカメラをもって集まっていました。 中茶屋公園は、ダイヤモンド桜島を望む絶好のロケーション。 太陽と桜島の共演に、時を忘れて見入る人たちも、遥拝が終わるとふっと優しい笑顔をしていました。 4市どこからでも見える桜島ですが、旅の最後に見た姿は、きっとずっと忘れないだろうと思えるもの。 非日常の旅に高揚していた心が穏やかになって、最高のお土産をもらえた気分。 心地よく旅を終えるにもおすすめです。

16 旅の終わりを締めるにふさわしいひととき。自然と手を合わせたくなります。

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